ギャンブル依存症の怖さ

⒈ギャンブル依存症とは

日本にはギャンブルができる環境が整っており、例えば身近なところでは競馬やパチンコ、競艇などがメジャーです。
ギャンブルにはスリル性や一獲千金の要素も存在するため、それを味わいたいためにのめり込んでしまうことも多く、何度もそれを行い続けると莫大に賭け金を費やしてしまうこともあります。

一度、ギャンブルに勝つことで大金を掴んでしまうとその瞬間の興奮や高揚感を得ることで、それによってまた再度行い、その興奮や高揚感を得たいと考えるようになります。
そして最終的には冷静な自己判断をすることができなくなる状態に陥り、ギャンブル依存症の問題が起きることが多いです。

ギャンブル依存症は、それに対する衝動を抑えることができずに、制御することができない精神疾患のことを言います。
ギャンブルを行う上では賭け金が必要で、それを制御することができないとその賭け金を得るために借金をしてしまうことが多いです。

ギャンブルを制御することは、あらかじめ決めた賭け金や時間の範囲内で行うことで、借金などをしないように考えて行う上では特に問題はなく、日常の生活の楽しみであれば問題ありません。

⒉ギャンブルは何度も繰り返し行ってしまう常習性が生じやすい

ただギャンブルは非常に負けやすくできており、負けても負けても取り戻すために、何度も繰り返し行ってしまう常習性が生じやすいです。
そのため消費者金融に走ってまでも賭け金を借りて勝負を行うことがよく見られます。

当然、借金をすることで自分だけでなく、周囲の人にも迷惑をかける恐れも生じ、それによって暴力、それ以外にも殺人・窃盗などの事件に繋がる恐れも存在することもあります。

犯罪の原因にギャンブルで負けてお金をなくしてしまった点があり、そういった賭けをやりたいがため、犯罪に手を染めることは十分に存在します。
もっともギャンブル依存症の特徴は、日常生活の中でギャンブルのことばかり集中して他の事に興味を持てなくなることが多いです。

手が震えたり、幻視・発汗・不眠などの離脱症状が起きたり、耐性自体も失われていく点もあります。
ギャンブル依存症は、生活の中心が仕事や家事などよりもギャンブルになっており、それをしていた時が落ち着いているという状況になります。

以前はギャンブル依存の問題は、個人の意志の弱さが原因となり、本人の資質の問題であるとされてきたのは事実です。
しかし近年は依存症の問題は精神疾患の問題になると言われ、それは精神疾患の病院などで医師の治療を受ける必要があるとされています。

⒊ギャンブルを止めたいと本人が希望することが初めの段階では必要

ただギャンブル依存症の場合には、ギャンブルを行う本人がその症状があることを認めたくないと考えることが多いです。
それを他人より指摘されると怒るということもよく見られ、厄介な症状にあるのも確かで、なかなかそれが治療できない側面も負けの傷口を広げてしまう懸念を生じさせやすくなります。

そのためギャンブル依存症の治療においては、ギャンブルを止めたいと本人が希望することが初めの段階では必要です。
そのためには自分がギャンブルなしでは居られない人間だということを意識して、それを受け入れることがポイントになります。

薬物やアルコールの依存症のような薬物療法自体が存在せず、そのギャンブル以外の他のものに関心を向けさせるようにする取り組みが実施されます。
もっともギャンブルでも日常的に通いやすいパチンコに関しては、ホールと連携をすることで行動を監視しやすいようにすることも重要なポイントになります。

近年は日常的なギャンブルとして定着しているパチンコも世論の批判を受け、その依存症対策にも積極的に取り組む事例も見ることができます。
また病院や自助グループなどでは週1~2回の割合で通い、集団精神療法による方法でギャンブルを止められるように取り組みが実施されます。